- 建売戸建ってどのくらい値引が出来るのか?
- 実際の値引き交渉の体験談を知りたい
筆者は、建売戸建て購入時350万円値引いてもらうことに成功しました。
本記事では、建売住宅を購入する時に値引きを引き出すコツ、交渉の心構え等を筆者の経験を交えてまとめます。
サラリーマンの皆さん、物件選びの際に夢のマイホームに心を躍らせるのは奥さんの仕事です。
皆さんは誰よりも冷静でしたたかでなくてはいけません。
どういう時に建売戸建の値引きが発生するのか?
筆者は不動産業界ではありませんが営業職をしています。
一言に営業と言っても業界や会社によっていろんなスタイルがありますが、筆者の場合、仕事で値引き交渉をしますし、値引き交渉を受けることもあります。
そんな筆者の営業マンとしての経験上、商品の値引きが発生する条件はただ一つ。
それは値引きによって、買う側と売る側の利害が一致することです。
どういう時に買う側と売る側の利害が一致するかはケースバイケースですが、値引きが発生するときは必ず買い手と売り手の利害が一致する状況が出来ています。
そして売る側にとって利益がない時に営業マンから値引きを引き出すことは不可能です。
営業職は利益にとてもシビア、温情だけでは値引きしません。
もし皆さんが物件の値引きを引き出そうとするのであれば、この事を頭に入れて交渉をする必要があります。
建売戸建住宅の購入の場合、売主に直接買い手が直接交渉するのではなく、不動産仲介業者を挟んでの値引き交渉となることが多いです。
そして仲介業者は物件価格の5~3%を手数料収入として得るのが儲けの手段。
即ち売主が数百万円値引を入れたとしても、仲介業者の利益減は値引き額のたった数%なので、値引きを入れようが入れまいが、仲介業者にそこまで大きなインパクトがありません。
むしろ値引を入れることで契約が取れるなら積極的に値引きを提案しようとする姿勢すら感じました。
従って値引き交渉時は、
- 売主から値引を勝ち取れる優秀な不動産営業マンなのかの見極める
- 営業マンに本気で値引き交渉してもらうようこちらの本気さを伝える
この2点をおさえておきましょう。
建売戸建の値引きを引き出しやすい状況
値引をしてでも契約を取ることが営業マンの利益になる状況と考えると分かりやすいです。
決算期
建売戸建の値引きを引き出しやすい状況の一つ目は、決算期です。
営業マンは毎年ノルマに追われています。
期末にノルマが足りない営業マンはノルマ達成に必死で一つでも多く契約を取りたい状況なので、値引が買う側と売る側の利害の一致に繋がりやすい=値引きが発生しやすいと言えます。
但し、すでにノルマを達成している営業マンは値引きが利害の一致にならないため、交渉には応じてくれないでしょう。
また仲介業者がノルマ達成に必死でも、売主はノルマ達成済みで値引きしてまで契約を取りたくないという状況も考えられます。
物件の引き渡しが期内に間に合わない場合も、ノルマが足りていない営業マンにとって得にならない状況です。
期末までに売上にならないので、期末までに引き渡しになる案件を優先します。
決算前の時期は建売戸建住宅の値引きを引き出しやすい時期ですが、上記のように期末だからといって全ての営業マンが値引きに応じるわけではありません。
ですので、会話を通して営業マンがノルマに焦っている様子がないか見極め、契約を取るのに必死な様子があれば値引きをお願いしてみましょう。
契約が欲しい営業マンはその一言で頑張ってくれます。
物件が売れ残ってしまっている
いつまでも売れない物件は、売主側がどうにかして「処分」しなくてはならないので値引交渉の余地があります。
完成後大体2〜3ヶ月経っても売れなかった建売物件は値下げが始まります。
売れなかった理由が値段だけだった物件は価格が下がった瞬間、速攻で売れてしまいます。
ですが、値下げ前の売れ残り物件で売主が値段を下げようか悩んでいる時期にうまく値引き交渉ができれば応じてもらえる可能性が高まります。
建売戸建の値引きを引き出すための心構え、テクニックについて
前項で値引を引き出しやすい状況をまとめましたが、案外少ないです。
というのも物件の間取り・装備や価格設定が適正であれば、普通は値引きせずとも売れていくものだからです。
また物を売る仕事の人間とって値引きは価格設定が間違っていたと認めるに等しく、また利益を削るのでできるだけやりたくないのが本音。
ですので、決算の時か、在庫処分・損切りの時くらいしか、売る側は積極的に値引きしません。
したがって、物件の値引きを引き出すには結局交渉と駆け引きが肝となります。
以下、僕が350万円の値引きを引き出した時にに実際にやったこと、意識したことをまとめます。
実際に売主と交渉するのは仲介業者ですので、買主側の交渉・駆け引き相手は仲介業者です。仲介業者に本気で売主と交渉させることが以下の交渉・駆け引きの目的となります。
購入の強い意志を示す
営業マンが月に接客出来る時間は限られています。
そして限られた時間の中でノルマを達成しなければいけませんし、冷やかしなんて相手にしている時間はありません。
営業マンに本気になってもらいあなたのために時間をフルで使ってもらうには、「コイツは買う!」と営業マンに確信してもらう必要があります。
営業マンは雑談の中で皆さんから色々情報を引き出そうとしますが、購入する意志と購入しなければいけない事情は営業マンに積極的に伝えてください。
僕の場合は、
- 2人目が生まれて家が狭くて限界になった。
- しかもアパートの更新が近い。
- 35年ローンを組むなら、年齢的にも急がなければいけない。
- あと2~3ヶ月の間に購入物件を決める必要がある。
などを雑談の中で伝えていきました。
複数の不動産会社と話す
物を買うときの基本ですが、複数の業者から話を聞きましょう。
業者ごと取り扱っている物件に差がありますし得られる情報も異なりますから、複数の不動産会社から話を聞くことは値引き以外の面でメリットが大きいです。
値引きしなくても納得できるコスパの良い物件に出会えるかもしれないですしね!
値引きの面では、複数の不動産会社から話を聞くことで、売主から値引きを引き出せる優秀な営業マンに巡り合える確率が上がります。
また営業マンには、複数の業者から話を聞く予定であることを最初から伝えると良いです。
客が他の業者に流れる可能性があれば営業マンは本気になります。
営業マンは「コイツは買う!」と思える確度が高い客は手放すまいと必死になりますから、こちらの要求が通りやすくなります。
営業マンは商談の中であなたに他の不動産会社に会っているか必ず聞いてきますが、「来週はA社、再来週はB社に会います」のように他の不動産会社と話すスケジュールが具体的に決まっていれば、より強いプレッシャーをかけられます。
気に入っている物件を悟られないようにする
物凄く気に入った物件があったとしても、深呼吸して落ち着いて、その気持ちが営業マンに悟られないようにしましょう。
あなたの値引き交渉のカードは「物件の購入を決断すること」たった一枚だけです。
「値引きをするなら購入しても良い」という駆け引きだけがあなたの武器です!
ある物件を物凄く買いたいと思っていることが営業マンに伝わったら、このカードの力は薄れて、後は「人気物件なので、今すぐ決めないと売れちゃいます」みたいな定番トークで一気に営業マンにペースを持っていかれます。
ですので、「この物件なら買っても良い」「選択肢の一つ」以上の気持ちを営業マンに悟られないように振る舞いましょう。
「物件は一期一会で、売れてしまったらその物件とは縁がなかった」くらいな態度で営業マンと接して下さい。
交渉のタイミングは申し込みの意志を示す前
交渉のタイミングは、物件購入の申し込みの前にしてください。
「物件の購入を決断する」というたった一枚のカードがもっと効果をはっきりするのは購入の意志を示す前です。
購入の意志を示した後に最後に取ってつけたように値引きを要求しても気持ちだけの小額となるか、断られます。
そりゃそうです、買うのがわかっているんですから。
営業マンはお客から購入の意思を引き出すために色々お客の要望に応えようとします。
従って値引交渉のタイミングは、必ず購入の意志を示す前としてください。。
具体的には
- この物件がいくらまで下がるなら購入を考えたい
- 値引き額によっては購入を考えたいので確認してもらえないか?
のように値引きが購入の条件になるような形で打診するのが良いでしょう。
交渉・駆け引きは爽やかに
最後に、値引きのための交渉や駆け引きは爽やかに堂々とやることを意識しましょう。
お客様は神様だみたいな態度は決して取らず、営業マンに敬意をもって接し、その上でトコトン値引き交渉をしてください。
ネチネチとしたイヤミったらしい態度は絶対にやめましょう。
営業マンも人間ですし、あなたが不動産会社を選ぶように営業マン側にも自社の商品を売るお客を選ぶ権利があります。
筆者が建売戸建の値引き交渉に成功した体験談
筆者の場合、4社アポを取って3社目で物件を決めました。
家族を連れて朝から物件を回って、午後に子供がグズリ出してもう今日はやめようとなりかけた時、
旦那さんだけ残れませんか?
と営業マンから打診されました。
妻と子供は自宅に返して、筆者だけ不動産会社に戻ったところ、希望条件を全て満たしているが予算オーバーの物件を見せられ、
この物件をワットさんの予算まで値引き出来ないか売主と交渉するので、もし値引き出来たら買って欲しい
と不動産会社から交渉を持ちかけて来たのです。
見せられたのは、前の買主が住宅ローンの本審査が通らず前日にキャンセルになっていた未公開物件でした。
再度お金をかけて販促するコストや手間を考えたら、売主は値引きしてさっさと売ろうと考えるはずと仲介会社は言います。
紹介された物件は、妻の間取りや設備に関する希望は全て満たしている上に、駅近物件でめちゃめちゃ魅力的。
希望の間取りの駅近物件は予算オーバーだと思ってましたが、値引きしてくれるのであれば手が届く、ぜひ欲しい!
ですが、その気持ちをできるだけ表情に出さないようにグッとこらえ、
予算以下まで値引きしてくれるなら購入する、そうでないなら買わない。
購入の意思を示しつつ、予算以上の金額は絶対に出さない姿勢を営業マンに伝えました。
値引きだけが建売戸建をオトクに買う方法じゃない
本記事では、こままで交渉と駆け引きで建売戸建を買う時に値引きしてもらうテクニックをまとめてきました。
ですが、本当に良い物件はモタモタ値引き交渉をしているうちに売れてしまうことも頭に入れておきましょう。
毎日ネットで物件サイトを見ていると、同じ区画の分譲物件で新着の物件なのにすでに契約済みの棟が出ていることもしばしば。
良い条件の物件は「建売」なのに建築前に売れてしまうといいます。
立地条件・間取りが良く相場より安い物件は、値引き交渉せずに即決することも考えておきましょう。
仮に値引き交渉をしなかったとしても、低金利で住宅ローンを契約したり、お得な火災保険や引っ越し業者を選ぶなど、物件価格の値引き以外でも建売戸建関係の費用を抑える方法があります。
特に住宅ローンは適応利率によって支払い総額に数百万円の差が出るので吟味したいところ。
ですが、建売戸建ては申し込みから物件の引き渡しまで3~4週間と短期間で取引が進むので、物件を決めてから住宅ローンを調べるのでは営業マンの言いなりにならざるをえず、損をすることも。
物件探しと同時に住宅ローン比較サービスなどで、候補の銀行を決めておきましょう。
おすすめの住宅ローン比較サービスは、モゲチェック です。
モゲチェックで利用できるサービス「モゲレコ」では、日本中の金融機関の住宅ローンを一括比較。
申請者の登録情報と銀行の審査基準をもとに住宅ローン審査に通る確率と適応金利を事前診断できるので、あなたにとって一番オトクな金融機関がわかります。
またメッセージのやり取り限定ですが、モゲチェック は住宅ローンアドバイザーに無料で相談できる点も良いと思います。
住宅ローンには審査があり、各金融機関がPRする最低利率があなたに適応されるとは限りません。
適応利率が0.1%違うだけで、将来の返済総額は100万前後変わります。
事前にあなたに最も有利な融資条件を提示してくれる銀行を確認しておきましょう。
建売戸建の値引交渉のまとめ
- 値引きは買う側と売る側の利害が一致した時にして貰えることを意識する
- 仲介業者に本気で交渉して貰えるよう駆け引きすることが大事
- 人気物件はすぐ売れてしまうので駆け引きはほどほどに
本記事では建売住宅の値引きのテクニックをまとめましたが、値引きは満足のいく買い物をする手段であって目的でないことを忘れないでください。
満足出来る買い物が出来れば、値引きはなくても良いのです。
僕の場合は350万円の値引きを引き出しましたが、結局は元々決めていた予算上限まで使わされたわけで商談に勝ったとは言い切れません。
僕の商談の真の勝者は、客の予算上限で仲介契約を取った仲介業者でしょう。
でも良いんです、納得して満足して買ったので。
皆さんも一生に一度のマイホーム選び、納得して満足して買えるよう、ありとあらゆる手を使ってみてください。
物件価格の値引きだけではなく、モゲチェック のような住宅ローン一括比較サービスや、火災保険、引っ越し料金の検討で家関係の総費用を圧縮することも重要です。
また別の記事でお会いしましょう!