fa-arrow-circle-right通勤中に音楽を聴くし、WEB会議でマイクセットが必要
そんな方には、マルチポイント対応の完全ワイヤレスイヤホンが便利です。
今回は、PanasonicのTechnics eah-az60がマルチポイントに対応し、且つ音質・ノイキャン性能の評判が良いので、実際に購入し、レビューすることにしました。
本記事では、「マルチポイント対応イヤホン」としてのTechnics eah-az60の性能を徹底的に掘り下げて解説します。
- 音質は素晴らしい、特に生楽器やボーカルの響きが良い。
- イコライザーでの音質調整幅が広く、音質の好みが分かれにくい。
- ノイズキャンセリングは強力、ただしクセがある。
- マイクはノイズ感があり、性能が良いとは言えない。音を大きく拾ってくれるので、WEB会議での実用性はある。
- 通話時ノイズキャンセリングが強く、屋外での通話もできる。ただし過信は禁物。
- イヤホンの音質やノイズキャンセリング性能に強いこだわりのある方で、WEB会議もこなしたい方
- ハイレゾ・LDACとマルチポイントの両方に対応したイヤホンをお探しの方
- マルチポイント完全ワイヤレスイヤホンの魅力
- Technics eha-az60の仕様
- Technics eha-az60の外観、フィット感
- Technics eha-az60の音質
- Technics eha-az60のノイズキャンセリング性能
- Technics eha-az60の外音取り込み機能
- Technics eha-az60の通話、マイク性能
- Technics eha-az60の充電、連続使用時間性能
- Technics eha-az60のアプリの使い勝手やボタンの押しやすさ
- Technics eha-az60 レビュー:総評
- Technics eha-az60レビュー|マルチポイント対応、通話・WEB会議に最適のまとめ
マルチポイント完全ワイヤレスイヤホンの魅力
マルチポイントとは、1つのデバイスを2つの機器に同時にBluetooth接続できる機能のことです。
1つのデバイスに2つの機器を同時につなぐとは、具体的には
- 2つのスマホに同時に接続
- スマホとパソコンを同時接続
- スマホとタブレットと同時に接続
という使い方が出来ます。
2つのデバイスにイヤホンを同時に接続することで以下のようなメリットが得られます。
- 複数のデバイスの接続切り替えが凄く簡単で、私用スマホでの音楽鑑賞、会社PCでのWEB会議など複数端末でのイヤホン使い回しのストレスがない。
- 私用スマホで音楽を聴いている時に、イヤホンを外すことなく会社スマホの着信を取れる。
これらの特徴からマルチポイント機能付きワイヤレスイヤホンは、音楽好きでWEB会議が多い方や出張が多い方にとって非常に使い勝手が良いガジェットです。
fa-arrow-circle-right本記事は、「マルチポイント対応イヤホン」という観点でTechnics eha-az60をレビューします。
従ってワイヤレスイヤホンの通常の評価ポイントである
- 音質
- ノイズキャンセリング
- 外音取り込み機能
- 電池持ち
- 接続安定
に加え、ビジネスユースで重要となる
- マイク・通話性能
に焦点を当ててレビューします。
またマルチポイント対応のビジネスイヤホンとして有名なJabra Elite 85t、7 Proの2機種をベンチマークとし、比較しながらレビューします。
Technics eha-az60の仕様
EAH-AZ60 | |
---|---|
流通価格 | 26,000円 |
充電ケース寸法(重量) | 72×25×H35㎜ (52g) |
イヤホン寸法(重量) | 20×30×H23㎜ (6g) |
スピーカーサイズ | 8㎜ |
マイクのタイプ | 2つの高性能MEMSマイクと発話検知マイク、ノイズキャンセリング用マイク(フィードバックマイク) 左右合計8個 |
通話中のノイズ低減 | JustMyVoice™テクロノジー ※ビームフォーミング技術や音声解析技術などの組み合わせによる、独自の通話音声処理技術 |
ノイズキャンセリング | デュアルハイブリッドノイズキャンセリング/フィードフォワード(デジタル制御)+フィードバック(アナログ制御) |
バッテリー(ANCオン時) | (イヤホン単体)約7.0時間(AAC)(イヤホン+本体)約24時間(AAC)(急速充電)15分の充電で約70分再生 |
Bluetooth® | 5.2 |
Technics eha-az60の外観、フィット感
AZ60の外観、フィット感について、まずは充電ケースの外観から見ていきます。
背は低めで、横幅が長く、奥行が短い独特の形状をしています。
奥行が短いケースデザインは、電車の中でケースをつかんで蓋をあけやすいので、◎です。
背が低く、横幅が広いデザインにより、ケースをどこかに置いた際に倒れにくくなっています。
実用面で良く考えられたケースサイズだと感じます。
続いて、イヤホン本体を見ていきます。
イヤホン本体には目立つ突起・構造物なく、有線式のイヤホンがそのままワイヤレスになっている感じです。
持った感じは、大きさと金属質な見た目から想像するイメージよりも軽く、比重が小さい印象を受けます。
見た目の高級感は、値段相応といった感じ。
最後にイヤホンのフィット感を見ていきましょう。
AZ60のフィット感は抜群です。
めちゃめちゃ良い!!
イヤホン本体のフィット感も素晴らしいですが、イヤーピースが7サイズ付属していること。
他社のイヤホンの場合、イヤーピースの数は大中小の3種が通常ですが、AZ60の場合は7種類あるので、耳栓の部分のフィット感が良いものを見つけられます。
AZ60のイヤーピースのフィット感は、快適性だけでなく音質にも影響している感じがあり、メーカーさんのこだわりが伝わってきます!
このフィット感はランニングやジムでの利用時にも安心です。
Technics eha-az60の音質
イヤホンの音質評価は個人の好みが非常に出やすいので、まずは僕の音楽趣向とイヤホン歴を参考までにまとめます。
音楽趣向:
・HR/HM
(Deep Purple、Metallicaが特に好き)
イヤホン歴:
・Ultimate Ears/Super.fi 3 Studio
・Ultimate Ears/Metro.fi 200
・Ultimate Ears/700 Noise-Isolating Earphones UE700r
・SHURE/SE215
・ONKYO/E700M
・Jabra Elite 75t
・Jabra Elite 85t
・Jabra Elite 7 Pro
ハイエンドイヤホンには手を出したことがありませんが、ミドルクラスの評判の良いイヤホンはかなりの数を使ってきました。
また学生時代は楽器をやっていたので、音の良し悪しについて素人じゃないと思っています。
前置きが長くなりましたが、Technics eha-az60の音質の特徴は以下の通りです。
- 音がよく響く、空間表現力が高い
- イコライザーの調整幅が広い
まずAZ60の音質は良いです、絶対評価で良い音質と言い切れます。
2万以上の完全ワイヤレスイヤホンにふさわしい解像度を持っています。
特に高音域が良いですね、ドラムのシンバルの微妙なニュアンスもはっきり聞き取れるのが素晴らしいです。
その他特筆すべき点は、音が良く響くことです。
例えば、
- 和太鼓を叩いた時に太鼓の胴体で音が響く感じ
- ピアノのハンマーが弦を叩く音が響く感じ。
AZ60はこういった音の響きをはっきり表現してくれます。
AZ60の公式HPでは、独自の音響構造による自然な高音質が強くPRされていますが、アピールするだけのことはありますね。
2番目にAZ60の音質で特筆すべき点は、イコライザーでの音質調整幅が広いこと。
解像度を犠牲にせずにここまで音の味付けを自由にいじれるイヤホンは、僕の経験ではAZ-60が初めてです。
逆にニュートラルの状態では全く音質に特徴がなくて
と後悔しかけたのは内緒です(笑)
イコライザーの調整幅の広さのおかげで、AZ-60は誰が買っても後悔しにくいイヤホンだと思います。
AZ-60は素晴らしい音質のイヤホンですが、敢えて欠点を挙げるとしたら、以下の2点です。
- デジタル系の音楽ではAZ60得意の音の響きの良さが活かしにくい。
- 音がよく響き広がる分、ベースの音が(ベースの音質がウリのイヤホンに比べ)ややぼやける。
生楽器の音を楽しみたいのであれば、AZ-60は非常にオススメできるイヤホンです。
ですが、デジタル系のサウンド中心に聴く方であれば、別のイヤホンでも良いかもしれません。
Technics eha-az60のノイズキャンセリング性能
AZ60のノイズキャンセリング性能についてですが、
一言でいうと高性能、めちゃめちゃ凄いです。
ただし、若干くせがあります。
僕のこれまで使ってきたJabraのイヤホンのアクティブノイズキャンセリングは、外部からの音全体を打ち消そうとしていました。
アクティブノイズキャンセリングの原理上、比較的綺麗に消せる音域、消しきれない音域はありますが、とにかく音全体を消そうとトライしてる感じ。
一方AZ60のアクティブノイズキャンセリングは、ある特定の音域のノイズは完全に徹底的にキャンセルしますが、特定以外の音域はノータッチといった感じです。
キャンセル範囲外の音については、むしろあえてマイクで拾った音をイヤホンから流している感じすらあります。
キャンセル範囲外の外音はノータッチなので、ノイキャン+音楽をかけてる最中も電車のアナウンスなどが普通に聞こえてきます。
外出先でも音楽に没頭したいと言う方にとっては少しわずらわしいかもしれません。
ですが、安全面を考えるとAZ60のノイキャンは正しい方向性だと言えるでしょう。
Technics eha-az60の外音取り込み機能
AZ60の外音取り込み機能ですが、一言で言うと荒いです。
ですが、音量があるので実用性はあります。
例えば、コンビニで買い物をする、レンタカーの手続きをする。
このくらいであれば、不安なく対応出来ます。
実用性は問題ないです。
ですが、明らかにマイクで取り込んだ音をイヤホンで流してる感じなので違和感があります。
外音取り込み機能が優秀なイヤホンでは、イヤホンをつけているのを感じさせないレベルで雑談が出来るものもありますが、AZ60はその域にありません。
電車や新幹線移動中に人と話す際、イヤホンを外さずに済むくらいのレベルです。
Technics eha-az60の通話、マイク性能
マルチポイント完全ワイヤレスイヤホンにとって重要なマイク機能、通話機能。
AZ60のマイク機能、通話機能は一言でいうと以下の通りです。
- マイク性能:音は荒いが、しっかり大きな音で声を拾ってくれる。
- 通話機能:音が大きく実用的、通話ノイズキャンセリング(JustMyVoice)性能も高い
まずはテレワークやWEB会議時に重要なマイク性能について詳しくレビューします。
AZ60のマイクは、マルチポイント対応・マイクが高性能と評判のJabraのイヤホンElite 85tや7 Proと比較すると、ノイズ感があります。
AZ60は両耳で合計8個もマイクを搭載していますが、マイクの数が多い分、原価・予算の関係で一つ一つのマイクの質を落とすしかなかったのかな?と想像します。
ただノイズはあるものの、音はしっかり大きく拾ってくれるので実用性は十分です。
テレワーク・WEB会議でもしっかり活用出来るでしょう。
続いてAZ60の電話時の通話性能について
AZ60の通話性能は素晴らしいです。
マイクはノイズを拾いやすいと上で説明しましたが、電話は固定回線、携帯回線ともにもともとノイズが多く音質が荒いもの。
従ってAZ60を電話で使う場合は欠点が薄まり、音を大きく拾ってくれるマイク性能が活きます。
マイクが音を大きく拾ってくれるので、AZ60を使い始めてから電話の際に声が遠いといわれることがなくなりました。
電話の性能であれば、AZ60はマイク最強で名高いJabra Elite シリーズよりも優れていると感じました。
通話時ノイズキャンセリング機能のJustMyVoiceの効きもなかなか。
周りがうるさい時の騒音を低減し、自分の声を大きく拾ってくれます。
ですが、周りのうるささが一定のレベルを超えると、JustMyVoice機能OFF時よりも自分の声を拾いにくくなるので過信は禁物です。
fa-arrow-circle-rightAZ60のマイク・通話性能についてまとめると以下の通りです。
- AZ60のマイク・通話機能は、WEB会議よりは電話通話寄りの性能。
- 通話性能は素晴らしい
- マイク性能もそれなりにあるので、WEB会議もこなせる
- 通話時ノイズキャンセリングの効果は高い。ただし周りがうるさ過ぎると役に立たないので過信は禁物
Technics eha-az60の充電、連続使用時間性能
EZ60のバッテリー性能の仕様は以下の通りです。
バッテリー(ANCオン時) | (イヤホン単体)約7.0時間(AAC) (イヤホン+本体)約24時間(AAC) (急速充電)15分の充電で約70分再生 |
---|---|
ワイヤレス充電 | 非対応 |
イヤホンがフル充電であれば、単体で7時間(AACオン時)充電持ちます。
7時間は、東京から日本全国ほぼどこでも行けるレベルなので、特に不便を感じることはありません。
急速充電は、15分で70分再生です。
海外への飛行機移動のことを考慮するともう少し短いほうがありがたいかな?と思いますが、これは筆者が多くを望みすぎのような気もします。
ケースを含めた連続使用時間24時間(ANCオン時)は、率直に言うと少し短く感じます。
電車・新幹線移動時間が多く、WEB会議する筆者の仕事スタイルでは、週2~3回充電しないと乗り切れません。
その上、ワイヤレス充電に対応していないので、充電のためイチイチ充電ケーブルを引っ張り出さなくてはいけなくて面倒です。
Jabra Elite 7 Proの最長30時間、5分で1時間・30分で50%の高速充電、ワイヤレス充電対応の利便性から比べると少し不便さを感じてしまうのが正直なところ。
ただAZ60は、2022年8月現在の完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー性能の相場からすると、十分な性能を持っています。
欠点にはならないレベルです。
Technics eha-az60のアプリの使い勝手やボタンの押しやすさ
AZ60のアプリには、ざっくり挙げると
- イコライザー
- ノイズキャンセリング、外音取り込み機能の最適化
- タッチセンサー動作のカスタマイズ
- 通話時マイク・ノイズキャンセリングのチェック
などの機能があります。
中でもマイク性能のチェックがアプリで出来るのは、素晴らしいと思います。
マイク性能のチェック機能は、マイク性能に定評のあるJabraのイヤホンのアプリにもありません。
また音質の評価の項で述べたとおり、AZ60アプリのイコライザーは音質の調整幅がとにかく広いです。
タッチセンサーによるイヤホンの操作も、カスタマイズで色々いじれて便利です。
ですが、AZ60のイヤホン操作で一点非常に不満な点があります。
それは音量調整をセンサー長押しで操作できないことです。
電話を受ける際は、相手の声に合わせて瞬時に音量を下げたりあげたりしたいので、長押しで連続的に音量を上げ下げできれば便利です。
ですが、AZ60は対応していないので、センサータップで1段階ずつチマチマ音量を調整する必要があります。
この点、ビジネスイヤホンとしては1点減点です。
Technics eha-az60 レビュー:総評
ここからはTechnics eha-az60の総評です。
改めてTechnics eha-az60の特長を以下にまとめます。
- 音質は音の響きや空間再現性が素晴らしい。
- イコライザーの調整幅が広く、多くの人の好みに合う。
- ノイキャン性能は非常に高い。
- マイク性能は音が割れ気味。但し音を大きく拾ってくれるので外での通話に強い。
AZ60の音質・ノイズキャンセリング性能は、2022年7月現在、完全ワイヤレスイヤホンの中で最高の部類と言えます。
2022年ベストバイイヤホンの一角は伊達じゃない!
ビジネスツールとしての使い勝手はJabra Eltieシリーズに軍配があがりますが、以下に当てはまるならAZ60を選択するのが良いでしょう。
- ボーカルや楽器の生の音の響きを楽しみたい
- 音場が広いイヤホンが好き
- 高ビットレートの音源をお持ちの方、LDACに興味がある方
- Web会議の頻度がそこまで高くない
- Web会議よりも外での電話が大事
fa-arrow-circle-right Technics EAH-AZ60を購入する
逆に以下に当てはまる方はJabraのイヤホンをオススメします。
- 比較的最近の音楽を聴く(デジタルサウンド系)
- クリアで解像感のある音を楽しみたい
- WEB会議の頻度が多い
- 予算は1万円台で済ませたい
特にiPhoneユーザーの場合、AZ60のLDAC対応のメリットがなくなってしまうので、Jabra elite 7proのコスパが魅力的だと思います。
fa-arrow-circle-right Jabra Elite 7 Proを購入する
Technics eha-az60レビュー|マルチポイント対応、通話・WEB会議に最適のまとめ
今回の記事では、Panasonicの完全ワイヤレスイヤホン「Techincs EHA-AZ60」を高級イヤホンかつマルチポイント対応のWEB会議ツールとして評価してみました。
僕は、JabraとAZ60の両方を持っているわけですが、率直にいうと
- 音は聞き比べないとわからないレベルでAZ60のほうが良い (iPhoneの場合)
- ビジネスツールとしての利便性は、Jabraのほうがはっきり良い
と評価しています。
普段の会社での通勤はAZ60、1時間以上の長距離出張の際はJabraという使い分けをしています。
どちらのイヤホンも一長一短ありますが、自分の仕事スタイルでどちらのイヤホンのほうが良いか必然的に決まってくると思います。
ぜひ悩んでみてください。
どちらのイヤホンもクオリティが高く、買って後悔しない製品なので、最終的には理屈ではなく感情で決めてしまってもよいと思います。
また別の記事でお会いしましょう!